『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』

rebuildfmのNさんの発言に触発されて、やっと読んだアゴタ・クリストフ。とても良かった。

 悪童日記の淡々とした“ぼくら”の日記の描写には、感情表現が排除されているからかカミソリのような鋭さがあってトキトキ感が満載。読んでいるこちらも “ぼくら”と書かれていても、もはや二人の子どもという感じはしないので、最後に二人が別々になることに衝撃を受けてしまった。
がーん!
ホントに二人いたんだ……っていう感じ? 

ところが『ふたりの証拠』になると、名無しの僕らに名前が与えられており、一見普通の小説風に変貌している(でも描写はそのまま)ことに、また衝撃。  

そして『第三の嘘』までいくと、さらに衝撃。『悪童日記』と、この『第三の嘘』の世界は繋がっているようで繋がっていないということがピンとこなくて読み始めてすぐは何度も読み直してしまった。 

三部作とあるので、出てくる人物は同じ人物であるという思い込みのせいなんだけれど、完全に別の視点から描かれているので、そこに気がつくまで俯瞰して見られないんだろう。 

しかし久しぶりに面白い三部作だったな〜!映画も観るか!