『わたしの本当の子どもたち』

これはいわゆるパラレルワールド系だと思うのだけど、最初、数回あっちの世界とこっちの世界を交互に読んでいるときは「スライディング・ドアじゃーーーん!」と思ったもの。 

懐かしの『スライディング・ドア』。これは、まだ若くて可愛かったグウィネス・パルトローが出ていた恋愛もの。

今調べたら98年の映画だったのね。しみじみ。

ドアが閉まるすれすれで地下鉄に乗れたヘレン(グウィネス・パルトローね)と乗れなかったヘレンの物語なわけです。 

映画も10分くらいなのかな?毎にあっちのヘレンとこっちのヘレンが交互に描かれていて、大学生の私は面白いな〜と思って観ていたのでした。 

そんな感じの軽い気持ちで読み始めた『わたしの本当の子どもたち』は、パラレルワールド系といっても、テーマが深いところまで掘り下げられていて良かったのでした。 

女性として抑圧され、自分を取り戻すのに何十年もかかってしまうが、平和な世界に住むパトリシアと、LGBTとしてマイノリティを生き、人生を謳歌するも、核で汚染された世界にすむパトリシア。 

どちらの世界にもパトリシアにとって大切なこどもたちがおり、認知症になった彼女にはどちら子どもたちも“ほんとう”だと思えるという……。
なかなか選択し甲斐のある2択でした。 

久しぶりの……これはSFっていうのかな?幻想小説って書いてあったけど。 堪能しました〜