行きたくても行けない

コロナのおかげでひとつ良かったのは仮説の映画館。
「映画は、映画館でみるもの!」
と、映画好きな人が訴えるのもホントその通りなのですが、
なかなか行けないので。
 
仮説の映画館。
これなんて素晴らしいシステムなんだろう!!
 
ここでいくつか映画見てみたけれど
一番良かったのは『タレンタイム 優しい歌』。
 
『月の光』が効果的に使われていて、
(他の曲も良かったし!)
面白かったり、美しかったり、悲しかったり、辛かったりと
全部が一緒に楽しめる良い映画でした。
 
これDVDにもならないし
見逃すとたぶん当分見られない映画なので
6月30日までだけど、おすすめです。
 
仮説の映画館が常設の映画館になったらいいのにな〜。

まあまあ欲しいもの

優先順位は高くないもの、ずっと欲しいと思っているものがあります。
何かっていうとパジャマ。

最初の会社に勤めていた頃、
なぜだか家にいるときに
「今、この瞬間に職場にワープしてしまったらどうしよう!」
という妄想を止められなくて、苦労しました。
(会社があんまり好きじゃなくて、ストレスだったからだと思うんだけど)

いかにもパジャマって感じのパジャマだと、
職場にワープしたときになんだか違和感を感じるし、
ボロボロすぎる物でもやっぱり困るよね、恥ずかしいし、職場だし。
ということで、パジャマとしてワープしても大丈夫な
当たり障りのないTシャツとズボンをよく着ていたのです。

その名残で、今も似たような格好で毎日寝ているわけですが、
ワープしちゃうかも的妄想は過去の話。
ここ数年はいかにもパジャマなちょっといいパジャマが欲しいな、
いいパジャマ着てみたいなと思っているのです。(歳のせい?)

でもちょっといいパジャマってちょっと高いんですよ。
だから「まあ、今じゃなくてもいいか……」になって、
結局買わないんです。

そんなところへやってきた、コロナからの10万円。
新宿区から申請用紙が郵送されてきたので、
これは!もしや!念願のパジャマか!!!
と浮き立つ気持ちを抑えられずにいたのですが、
追って固定資産税の支払い用紙が届いて
一瞬にしてパジャマへの淡い期待が消え去りました。
恐ろしいな、税金は。

ちょっといいパジャマ、買える日は来るんだろうか。

不思議なバイト

休校中、子どもたちからよく聞かれたのはわたしの学生時代の話。

小学校から高校卒業まで、毎年のように通知表に
「ケアレスミスが多い」「そそっかしい」と書かれ続けた
わたしの失敗談を聞くのは楽しいようで、
何度も親や先生から叱られた話を披露するハメになった3ヶ月でした。
あーやだやだ。

最近は学生時代のバイトの話をよく聞いてきます。

お決まりのファーストフード店からはじまり、居酒屋、カラオケ店、
試験監督、交通整理、スキー場、ケータイ押し売り、エロサイトのサクラ、
事故現場の地図作り、テレビで使う小物作りに美術商などなど。
バラエティに富んだラインナップだったわけですが、
中でも印象に残っているのは宛名書き。

宛名書きと聞くと、一枚いくらで膨大な枚数の葉書を書くイメージですよね。
うんうん。分かりますよ。

この謎のバイトを見つけてきたのはわたしの数少ない友人、Mさん。

ある日Mさんが
「良さそうなバイト見つけたよ。宛名書きで時給800円だって」と。
なんでも電信柱に貼ってあったチラシを見たらしい。
あ、あやしい……。

宛名書きで時給ってそもそも変ですが、
ど田舎大学生が時給800円のバイトを見つけるのは至難の技。
とりあえず行ってみることにしたのです。

お風呂なしの古いアパートの一室が雇い主K氏から指定された部屋でした。
K氏は感じの良いおじさんで、
最初に会ったときに好きな食べ物を聞かれました。
Mさんは「チョコレート」わたしは「トマト」と答えました。
だってトマト好きだから。

2回目からは1人ずつその部屋へ行って、
数時間宛名を書くという流れでした。

1人でその部屋を訪れると、わたしの作業する机の上には、
たいそう立派なトマトが3つ。
笑顔のK氏は「あなたはトマトが好きでしたね!トマト準備しました!」
ニコニコ。「どうぞ!」

えーーーっと、………今食べろってことかな?

しかし宛名書きのバイトですから、トマトの隣にはハガキが山盛りあって、
お皿もなにもないのです。
これからペンで宛名を書かないといけないんですよね?わたしは。

「(とても悲しそうな顔で)トマト本当は好きじゃないですか??」

「あ、いや、大好きですよ、トマトは(今食べたいわけじゃないけど)」

「そうですか!じゃあ、ぜひ!!」ニコニコ。

K氏はわたしがトマト食べるの待ってるわけで、
仕方ないのでトマトを食べます。

「どうですか?美味しいですか?」ニコニコ。

「お、美味しいです(今は全然食べたくないけど)」

そんな感じでこの宛名書きのバイトはスタートしたのです。

毎回行くたびにトマトが用意してあったので
2回目からは汚れた場合のタオルなどを持参していきました。

K氏は毎回部屋にいるわけではないので、
(いるとトマトの感想を聞かれたり、肩を揉まれたりする)
一人机に座って宛名を書きます。

大きな窓の前に古い木の机があって、
机の上には送り先のリストとはがきとトマト。
窓の向こうは畑でした。
冬で、暖房が入っているとポカポカポカ……ポカ……。

…………って、30分も寝ちゃったよ!

とやってても時給は800円です。
考えごとをしてたり、眠ってたりすると
1時間かけても数枚しか書けない日があったりして。

でもK氏はいつもニコニコでトマトを用意してくれるのです。

この暇で不思議な宛名書きのバイトは
そのうちだんだん行かなくなったのですが、変なバイトだったな〜。

きっとK氏には別の目的があって、宛名書きの仕事は隠れ蓑だったのかも。
とバイトに行かなくなってから思ったのでした。